【投稿日 2021/11/21  更新日 2022/02/15】

風俗嬢のステルシング被害者続出!ゴムを勝手に外された時の対処法は?

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性病の危険性や妊娠リスクの軽減のためにコンドーム着用店を選んでお仕事をしている子も多いなか、風俗嬢たちを悩ませる問題が”男性側が勝手にゴムを外してしまう”こと。精神的にも肉体的にも傷つくのは女性側なのに、「男性側へのお咎めなし」「お店は何も対処してくれなかった」など泣き寝入りで終わるのが多いのも現状です。

今回の記事では、勝手にゴムを外す行為『ステルシング』について徹底解説。声を大に出せないお仕事だからこそ、自分の身を自分で守るための術をご紹介します。

この記事でわかること
・風俗でのステルシングの犯罪性
・ステルシング被害に遭った際の対処法
・未然に回避する「ステルシング防止策」

 

ステルシングってなに?

ステルシング

「ステルシング(stealthing)」という言葉は日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、日本語に言い換えれば、”女性に許可無くコンドームを勝手に外す”行為のことです。

Ribbon豆知識
「ステルス(stealth)」は翻訳すると「こっそり何かを行う」という意味。”ステマ”で有名な「ステルスマーケティング」や「ステルス戦闘機」などのステルスと同じ言葉です。意外にも馴染みの深い言葉ですよね!

アメリカのカリフォルニア州では既に違法行為として相手を訴えることができる、れっきとした【犯罪行為】。同意を得ない性行為は性的暴行に当たる可能性が高いとして全米でも議論され、法整備をするべきとの声が専門家からもあがっています。

確かに同意のない性行為はもはや「レイプ」と言っても大げさではない話ですよね。ですが、残念ながら日本の風俗店ではコンドーム着用店であっても遭遇する確率は高いのが現実です。

ステルシングは日本でも違法行為?

アメリカの一部の州ではすでにステルシングが違法となっているものの、日本社会ではどうでしょう。風俗店でのステルシング被害に関係なく、性行為中にコンドームを勝手に外した行為に対しての違法性についての法律はいまだにきちんと整備されていません。

ただ幸いなことに、性被害者を守るための策として他の法律違反に該当するとして相手を逮捕するケースは多く、日本での性被害者が全く守られていないという訳ではないのも事実です。

勝手にコンドームを外された!訴えるなら〇〇罪!

ステルシングの法律

ステルシング自体を取り締まる法律はないものの、他の罪状で警察に関与してもらうことも可能です。ステルシング被害に遭った状況に一番近い犯罪性を知っておくとまんがいちの時に役に立ってくれます。

暴行罪

コンドームを外そうとしている様子を発見し、止めようとした結果ステルシング被害に遭った時には『暴行罪』に該当する可能性があります。

具体的には

  • 手足や身体での制止を力業で振りほどかれた
  • 口を抑えられ助けが呼べない状況にされた
  • 平手打ちや暴行でステルシングを強行突破された

など、身体的な被害が暴行罪に相当します。「目立った怪我がない被害を受けた時に暴行罪が該当する」というのを覚えておけば、ステルシングに限らず、相手とのトラブルが発生した時にも助けになってくれるでしょう。

傷害罪

ステルシングが原因で妊娠(緊急避妊治療を含む)をしてしまったり性感染症になってしまった場合には『傷害罪』が成立する可能性があります。

  • ステルシングによって妊娠をした
  • コンドームを着用しなかったため性病にかかった
  • 被害がトラウマとなりPTSDになってしまった
  • 暴行を受けて治療が必要な怪我をしてしまった

心理的な恐怖からメンタルクリニックなどに通うようになった際も傷害罪に該当することも知っておきましょう。

準強制性交等罪(準強姦罪)

暴行罪や傷害罪よりも重い罪として相手を訴えられる可能性があるのが『準強制性交等罪』で、旧罪名は準強姦罪です。

ステルシングにおいての日本での判例はないものの、似たような性被害での裁判はあります。確実に当てはまるとはいえませんが、「コンドームを付けていないと知っていたら拒否していた」にもかかわらず、ステルシングによって「コンドームを付けていると錯覚、誤解させた」ことになるので準強制性交等罪に該当すると判断される可能性があります。

強制性交等罪(強姦罪)

準強制性交等罪よりも重い罪に該当するのが『強制性交等罪』で、”強姦罪”の名称で有名ですよね。

先ほどの準強制性交等罪との違いは、被害者の抵抗を暴力や脅迫をもって抑圧したかどうか。ステルシングでの判例はないものの、近年では性犯罪への取り締まりも厳しくなっているため、「ステルシングも強姦罪」と捉えてもらえるケースがあるかもしれません。

風俗店でのステルシング行為…相手を訴えれる?

一般生活でのステルシングでは傷害罪や強制性交等罪に該当されるケースもあり得ますが、風俗店で行われた性行為中の件となると該当するか不安に思う風俗嬢も多いはず。「そういうお店だから警察に言うのが怖い」「誰も相手にしてくれないのではないか」と心配になってしまいますよね。

覚えておいて欲しいのが、「風俗店に務める女性従業員であっても声を挙げることはできる」ということ。風俗店は曖昧なグレーゾーンだからこそ男性からのステルシング被害も拡大していますし、泣き寝入りをする女性も多いことから「警察沙汰にはならないだろう」と腹をくくっている男性もいるのです。

直接警察に相談する必要はありません。お店の人を仲介してトラブルを解決してもらえば、訴えることは出来なかったとしても今後の安心感や抑止力につながります。お店の人からあしらわれてしまったけれど「どうしても相手を懲らしめてやりたい」と思うのであれば性被害専門の相談窓口もあるので利用してみるのも手です。

性被害に遭った時の電話相談窓口
性犯罪被害相談電話(全国統一)「#8103(ハートさん)」(短縮ダイアル)

 

ステルシング防止のコツと対処法

ステルシングは被害に遭うと肉体的な被害よりも精神的な負担が大きいケースが多く、お店側も「よくあるトラブル」として積極的に協力してくれないこともしばしばあります。

お店に勤める以上、ある程度は”自分の身は自分で守る”ことを覚悟しておかなければいけません。女性側として未然に防ぐためのステルシング対策を行ったり、被害に遭う確率を抑える役に立つ接客術を身に付け、できるだけトラブルにならないことが重要です。

未然に発見した場合は即刻コール

接客をしていると「このお客さん怪しいな」と勘づくこともありますよね。何度注意や警告をしてもステルシングの隙を見計らっているようであれば、いっそのことコールでフロントに送り返す作戦も有効な手段。

どんなに親しい仲の常連さんであっても「男性は男性」と割り切り、コンドームから目を離さないような警戒心が自分の身を守ってくれるのです。

ゴムのサイズは適切なものを選ぶ

どんなに理性的な男性でも「ゴムが外れそうだな」と魔が差してステルシングを試みようとすることもあります。

「コンドームのサイズが小さいから外したい」「コンドームが分厚いから着けたくない」と思わせないためにも、男性のサイズに合った種類のものを選びましょう。「コンドームがあるとイキづらいから」と駄々をこねる人には薄めのコンドームでクレーム対応を行い、最悪の場合はコールでスタッフに突き返すこともできます。

ステルシング被害に遭った嬢がするべきこと

ステルシング被害

出来る範囲の自己防衛をしていたにもかかわらずステルシング被害に遭うことがあっても自分を責めたり泣き寝入りをする必要はありません。

重要なのは被害に遭った直後の行動。店内に男性がいる間やお客さんが帰ってしまう前にきちんと対処することが大切です。

1.お店のスタッフに”コール”で内密報告

ステルシングを行ったお客さんに直接文句を言ったり問いただす行動は相手を逆上しかねないのでNG。悔しい気持ちをグッとこらえて、まずはお店のスタッフに報告をしましょう。

コール越しに「勝手にゴムを外した」等の直接的な表現はできるだけ避け、お店で定められた”合言葉”を使ってフロントで引き留めてもらうように工夫します。合言葉がないお店なら「お上がり前にフロントで待機してもらってください」と小声で伝えることもできます。

お客さんのお上がり後は個別にスタッフや店長に報告し、今後の対処を相談しましょう。勤務先が協力的なお店で、お客さんとあなたの仲介役としてトラブルを解決してくれるようであればある程度は任せてOK。罰金徴収や婦人科医療費の請求、相手の連絡先を押さえてくれたりと出来る限りの対応もしてくれます。

2.産婦人科で膣内洗浄

ステルシング被害に遭ってしまったら、妊娠や性感染症、生理的な面からも婦人科で膣内洗浄をしてもらうのがオススメです。

膣内洗浄では妊娠・性感染症を100%防げることはないものの、専門医に相談すればあなたに必要な処置を行ってくれます。

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3.妊娠が心配ならアフターピルを処方してもらう

普段からピルを服用していない子であれば念のためにアフターピルを処方してもらうことも忘れずに。ステルシング被害に遭ってからできるだけ早いタイミングで服用すれば避妊確率も高まります。

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4.医師からの診断書を貰う

警察への相談や医療費・慰謝料の請求などを検討している場合はお医者さんから診断書を書いてもらうのがおすすめです。診断書があれば裁判になった場合にかなり効果的な武器となってくれることも頭に入れておきましょう。

まとめ

ステルシングは相手の隙をついた悪質な行為で、場合によっては立派な性犯罪が立証します。お店でのトラブルを回避するためにも普段から警戒心を忘れずに、被害に遭った場合は速やかな対処が大切です。

警察やお店が協力的でなくても相談先はあるので、気になる子は「性被害 相談窓口」で検索をしてチェックしてみてくださいね。